介護業界の離職率はどれくらい?
イメージと現実には大きな差がある
世間のイメージでは、介護職は「汚い」「キツイ」「給料が低い」のいわゆる「3K」の仕事であるといわれています。そのため、離職率も高いイメージがありますが実際はどうなのでしょうか?
公益財団法人介護労働安定センターが平成24年10月1日から平成25年9月30日までの一年間に行った介護労働実態調査を見てみましょう。これによると介護職の離職率は全体では16.6%、正規職員のみにするとおよそ15.6%という数字が発表されています。前年度の平成24年度の介護職全体の数値は17%であったため、わずかですが減少していることが分かります。
対して、全産業の平均的な離職率は14%~16%を行ったり来たりしていますが数字だけを見てみると介護職よりも若干低くなっているもののそれほど大きな差はありません。むしろ、介護業界に比べてはるかに高い離職率となっている産業も多くあり、その中でも飲食業界の離職率は26%~27%と介護職よりも10%以上も高くなっています。
これらのことから、世間的には離職率が高いといわれている介護職ですが実はそれほど高い数値でもないということが読み取れます。
離職率は事業所や施設で大きく変わる
数値だけを見ると介護職の離職率はそれほど高いようには見えませんが、なぜ離職率が高いイメージがあったのでしょうか。
先述した介護労働実態調査によると、同じ介護職であっても事業所や施設によって離職率が大きく異なっているそうです。介護職員が利用者の自宅を訪れて介護を行う訪問介護の離職率はそれほど高くありませんが、有料老人ホームや認知症のグループホームのような施設系は離職率が高い傾向がありますが、なぜ施設系の方が離職率が高くなるのか。それはマネジメント管理が大きく関係しているからです。
有料老人ホームなどの施設の場合、必要とされる介護士の数もそれなりに多くなるため一人一人にかかる負担は少ないように思えますが、マネジメント管理が心許なく追いついていない状況であれば逆に働いている職員にかかる負担が多くなってしまいます。そのため、それに耐えられず離職へとつながってしまうのです。
離職率が高い事業所や施設の特徴は?
開業して間もない、具体的にいえば開業して3年以内の事業所や施設もまた離職率が高い傾向があります。なぜなら、まだマネジメントのノウハウがたまっていないため効率の良い運営ができず、職員の負担が増えてしまうからです。負担が増えてしまうと離職へとつながってしまう可能性が高くなり、その結果、離職率が高くなるという悪循環に陥ってしまうわけですが、これは比較的小規模な事業所や施設に多く見られがちです。
また、マネジメント管理のノウハウを持っていたとしても常に人材不足に悩んでいるような施設は職員一人一人の負担が大きくなってしまうため離職率が高い傾向があります。
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自信を持って挑むための面接対策をしておこう
介護職の転職活動において一つの山となるのが、面接です。面接時は、相手へ好印象を与えるための服装で挑む必要があります。TPOをわきまえた常識ある服装を心がけ、シワや汚れがないように気をつけましょう。また、面接時には表情や話し方もしっかり見られています。明るくハキハキと受け答えをするよう心がけましょう。質問への回答は具体的なエピソードを織り交ぜ、特に逆質問では自己アピールに繋がる回答をするとなお良いです。
ホワイトな介護施設を見分ける方法とは
いざ転職しようと決心した際に、ある程度ホワイト施設かどうか見定めておくと、入職後のギャップを回避できます。ただ、一般的に言われているホワイト施設の定義を全て満たす職場はなかなかありません。そのため、「求人の頻度」や「職場環境」にポイントを絞って着目し、見極めることが大切です。なおかつ、自分が絶対に譲れない条件をもとに、自分にとってのホワイト施設を探し出すといいでしょう。どうしても見極められない場合は、転職エージェントのカウンセリングを利用するというのも1つの手です。